口の中が白っぽい
いつもはきれいなピンク色なのに、ふと見ると口の中の色が白っぽい、または紫色だったりする
場合があります。おおまかに言って三つの原因が考えられます。
1. | 貧血 どこかからの持続的な出血、骨髄の異常、赤血球を作るための栄養素の欠乏(鉄、葉酸、 B12 )、溶血(免疫学的な要因で赤血球が壊れる病気で急速な貧血を招く)、脾臓や肝臓の病気など。 |
2. | 血液の流れが悪い 心臓の病気、ひどい脱水、アナフィラキシー(激しいアレルギー反応の一種)、敗血症(血液にばい菌が混ざる状態)など |
3. | 肺が悪い 息が荒い、すぐへたり込む。 |
いずれも緊急性の高い病気ですから、早めの受診を心がけてください。
子犬の下痢
後3-4ヶ月くらいまでの子犬はよく下痢をします。 よくある原因をピックアップしてみましょう。
よくある下痢の原因としては
環境変化のストレス: | 家に来てまだ時間が経ってなくて、御家族の方が熱烈歓迎して、子犬をいじり過ぎるとよく下痢をして体調を崩します。お家に慣れるまで待ってあげましょう。 |
寒さ: | 冬 場、特に夜、暖房を切ってしまうとかなり冷えます。これも下痢の大きな原因となります。子犬のいる周辺に温度計を設置し、冬場でも22°くらいは保つよう にしてください。保温はエアコンが一番ですが、ペット ヒーターでも構いません。要するに適切な温度がキープされているかどうかが問題です。 |
フード: | 餌 の食べ過ぎは便がゆるくなる原因になるようです。適切な量を与えましょう。子犬用のフードにはパッケージの裏に給餌量が表示されていますからそこをしっか り見ましょう。よく、ペットショップの人が、子犬の頭 の大きさが一日量の目安、なんていってますが、それは大雑把すぎます。きちんとグラムを量りましょ う。また、フードに添加物を加えたり、フードをふやかして与えるのはなるべく早い段階で止めるようにしましょう。 |
食器: | きれいに洗うようにしましょう。とても大事です。給水ボトルは不衛生になりやすいのであまり勧めません。どうしても使用する場合は隅々まで徹底的にきれいにしてください。 |
食糞: | 子犬はよくうんこをたべます。でもこれは習性でもありますからあまり叱らないようにして下さい。それよりもしたらすぐ片付けるようにしましょう。食糞は下痢の原因になります。 |
おとなの犬の下痢
はっきりとした原因がないのに下痢をしてしまうことは、けっして 珍しいことではありません。 色々とお話を伺って原因を探るのですがよくわからないこともあります。
症状としましては、 何度も便意をもよおし、少量の便を何度もする場合(よく血液や粘液が混ざる)は 大腸性の下痢で、たいした事のないケースが殆どです。
一方、回数はそれ程多くないけれどほぼ必ず下痢で、体重食欲とも落ちてきている ようなら、小腸性の、もしくは他の内科的疾患に伴う下痢が疑われます。
これはかなり心配な状況です。診察必須です。
よくある下痢の原因としては
1. 食事の変化
お話から明らかに普段と違うものを食べた場合。
具体的にあげるとキリがないのですが、 食べ慣れないフードやおやつ、香辛料や油のいっぱいついたお肉など、また、くだものではこの時期、 梨や柿も下痢をおこしやすいように思います(経験的に言って)。野菜はたくさん食べると便が緩くなることが多いです。お菓子や、クリームいっぱいのケーキは膵臓にリスクがあると言われています。
2. お父さんのあたえるもの
お父さんはお酒を飲んでよい気分になると(お酒が入らなくても、ついつい)ろくでもないものを与えます。すると、翌日動物病院で犬が診察を受けることになります(経験的に言って…)。気をつけてくださいね。
2′. おじいちゃん、おばあちゃんのあたえるもの
お父さんと同様です!年輩の方は何度いっても聞いてくれませんが、犬もそのうち下痢しなくなるみたいです(ホント!?)
3. ストレス
恐怖、緊張、寒さなどに関係するストレスは下痢を引き起こします。人間と一緒です。
4. 感染症
細菌やウイルスの感染
5. 寄生虫
成犬の場合、代表的な寄生虫は鞭虫(べんちゅう)でしょう。
粘液や血液を伴ったしぶり便が特徴。
6. 原因不明の出血性胃腸炎
何か、に胃腸が反応して出血性の下痢と嘔吐をおこします。飼主様にお話を聞いても一通り検査をしても、これといった原因を見つけられません。3-5日で治ります。
7. 小腸、大腸、肝臓、膵臓などさまざまな内臓の疾患に伴った下痢
通常小腸性の下痢です。
大体、このような原因に分けられるでしょうか。殆どの下痢は適切な治療と食事管理で治すことができます。 わんちゃんが繰り返し下痢をしたり、ずっと便が緩かったりする場合には病院に相談しましょう。
急に元気がなくなった(椎間板ヘルニアかも)
さっきまで元気に動き回っていたのに、気がつくとしっぽを垂れて、背中を丸めてしょんぼりしている。
体が震えていて、抱き上げようとすると痛そうになく…。わんちゃんが、急にこんな状態に陥っ
た時は椎間板ヘルニアかもしれません。
この病気はミニチュアダックスに多発します。
この犬種を飼っている方は特に注意しましょう。
椎間板というのは背骨と背骨の間にある座ぶとんのような構造物です。背骨は1本の長い骨ででき
ているのではなく、短い骨がいくつも連なってできています。
その、短い背骨と背骨の1つ1つが互いにぶつからないように、クッションの役割をはたしているの
が椎間板なのです。
特定の犬種(特に多いのがミニチュアダックス)では椎間板が障害をおこしやすく、そのせいで背骨の中をはしっている脊髄を圧迫したり、傷つけたりします。
椎間板が壊れて脊髄が圧迫をうけると、程度によって次のような症状がでてきます。
程度が軽い場合は、背中や腰が痛くなります。結果として、犬は体を動かすことを嫌がり、ふるえたり、何かの拍子に痛みから悲鳴のような鳴き声を上げたりします。
最初のうちはこのような痛みからくる元気消失を繰り返すことが多いようです。
しかし、脊髄への椎間板による障害がひどい場合は、後ろ足が麻痺してうんちやおしっこができなくなってしまいます。
首の椎間板が障害をうけると前足も麻痺することがあります。
症状が痛みによる元気消失だけであれば、3~4週間の厳しい運動制限でおおかた治ります。
ただ、再発の可能性は常にありますので、運動制限を解いてからも、ジャンプしたり階段を昇り降りしたり、ソファに飛び乗ったりというような背骨に負担をかける運動は厳禁です。
体重超過の場合には減量も必ずしなければなりません。
足が麻痺するような重大な症状がでている場合には外科的な治療が必要になることが多いです。
しかし、手術をしても麻痺が回復しない場合もあります。また、手術を選択しなくても麻痺がかなり回復する場合も多くあります。このあたりは難しいところですが充分な話し合いの上で決めていかなければなりません。
ミニチュアダックスを飼っている方は、普段から体重管理を心掛け、ジャンプや飛び乗り、階段の昇降は避けるようにしましょう。
椎間板ヘルニアは突然やってくる恐い病気です。
皮膚病
皮膚病の季節になりました。
皮膚病の原因は大まかに言いまして、細菌、真菌、外部寄生虫、アレルギー、ホルモン関連、自己免疫性の6つがあります。
季節がら気温と湿度の上昇に伴い急に増えてくるのが、細菌による皮膚疾患です。
皮膚の表面がすりむけたように赤くなって表面がただれてきます。形は普通楕円形で、大きさはまちまちですが、直径1cmから5cmほどのことが多いです。
皮膚に存在するブドウ球菌の一種が主な原因菌です。抗生物質には比較的よく反応しますので、10日ほどの投薬でほぼおさまります。
経験的にわんちゃんをシャンプーした後、乾燥が不十分だと発生することが多いように感じます。
診察室で飼い主の方が、「このまえシャンプーしたばっかりなのに・・・」と残念そうによくコメントしています。
皮膚病予防のためにシャンプーしているはずが、そのあとあまり乾燥させていないので、余計皮膚病になりやすくしてしまっているのです。
しっかりタオルドライして被毛の水分をよく吸い取るようにして、できればドライヤーもかけましょう。